映画STRAW 絶望の淵で を観て

「Straw」っていう映画、知っていますか?

最近、NetflixでTyler Perry監督の「Straw」という映画を観たんですよね。

これは、アフリカ系アメリカ人(映画の字幕では「黒人」と訳されています)のシングルマザーとその娘が、どれだけ厳しい状況の中で生きているかを描いた、重〜い作品でした。

タイトルになっている「Straw(ストロー)」は、スラングでよく使われる表現
“That’s the last straw.”(もう我慢の限界)
という言葉からきているんです。

この言葉の元になっているのが、
“It’s the last straw that breaks the camel’s back.”
ということわざ。
「最後に載せた藁1本がラクダの背中を折る」っていう意味で、
ほんの小さな出来事でも、限界を超えてしまえば壊れてしまう、ということなんですね。

この映画では、こんなエピソードが描かれていました。

保険に入っていないシングルマザーの主人公が病院で、無理な姿勢を強いられて、結果的に流産に近いかたちになってしまいます。
生まれてきた子は病気を抱え、薬代は高額。
お母さんはそのために、昼も夜も仕事を掛け持ちして働いていました。

でもある日、その大切な娘さんが亡くなってしまいました。

お母さんの心は壊れてしまい、パニックから人を殺してしまいます。
さらには、銀行強盗に間違われてしまうという、まさにカオスな一日が始まってしまうんです。

正直、観ていて胸が締め付けられる場面がたくさんありました。

映画の中で、シングルマザーである主人公が言った言葉。

“I got put out today. Nobody cares. Nobody sees us.”
(今日、家を追い出された。誰も気にしてない。誰も私たちのことなんて見ていない。)

その言葉に対して、女性刑事が静かに返します。

“I see you. I hear you. I care. You will be okay. “
(私はあなたを見ている。あなたの声を聞いている。あなたのことを大切に思っている。大丈夫だよ。)

そして、もう一人、銀行のマネージャーが言った言葉。

“You got me.”
(私がついてるよ。)

この2人の言葉には、empathetic(共感的で)・compassionate(思いやりがあって)・very passionate(情熱的)な気持ちが込められていました。

ただのセリフじゃなくて、心の底から、目の前の人に寄り添おうとしている言葉。
私はこの場面に、強く心を打たれました。

誰かが困っているときに、こんな風に心から手を差し伸べることができる人でいたい。

人生には誰にでも、ものすごく大変な時期があると思います。
でも、その中でも一番つらいのは、「孤独の中で闘っている」と感じる時間じゃないでしょうか。

私にも、そういう時期がありました。
誰にも理解されない、誰も助けてくれないと思って、泣きながら一人で仕事をしていたこともあります。

あのとき、息子たちが、
「ここにいるよ」「大丈夫だよ」って言ってくれたから今まで頑張れた。

だからこそ、私も、誰かがつらいとき、
「I see you」「You got me」って言える人でいたい。
人として、そんなふうに生きていきたいなと思いました。

もしよければ、あなたにもこの映画、観てほしいです。
心に残るものが、きっとあると思います。

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